Tumneyのブログ

20代後半の国際公務員。2020年1月からバンコクで雇用・労働問題に取り組んでいます。

貯金60万円で米国大学院へ留学 収支明細も大公開!

こんにちは、国連目指す系ブロガーのTumneyです。

私は2017年5月から約2年間、アメリカのワシントンD.C.にあるジョージワシントン大学エリオット国際関係大学院というところで留学をしていました。

 

海外留学を考えるとき、気になるのはお金の問題だと思います。実際アメリカの大学院というと、すごくお金がかかるという情報が多々あります。でも渡米当時、私の銀行預金は60万円しかありませんでした。新卒で3年勤めた会社を辞めてきたので、会社が費用負担してくれる訳でもなく、社会人にもなって親にもなかなか頼れません。今回はそんな私がどうやって留学を成し遂げたか、実際費用はいくらかかって、どうやってそのお金を集めたかについてお話します。これを見て、お金はないけど留学を本気で考えているという方に、少しでもお力になれたらとっても嬉しいです。

 

さて、まず留学費用ですが、結論から言いますと私が2年間でアメリカ留学に費やした総額はおよそ$123,000でした。これは当時の為替レート($1≒¥114)で約1400万円です。この1400万円をなんとかするために私はできることは全てやったと思います。その結果が以下の収支グラフです。これを「お金の集め方」と「お金の節約方法」に分けて説明していきます。

 

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お金の集め方

グラフの通りですが、私の留学資金の大半は日本の奨学金(給付と貸与)でまかないました。奨学金は優秀な人しかもらえないと思われがちですが、調べてみると案外たくさん種類があり、中には倍率がそこまでではないものもあります。専攻分野によって応募できるものとそうでないものがあると思いますが、以下は私が調べた一例です。

応募書類の準備は大変ですが、応募しなければチャンスは来ません。私自身、経歴は大したことないですが、この中のいくつかは面接まで進むことができました。なので是非トライしてみて下さい!

 

次に大学院からの奨学金について、これは正直もらえると思っていませんでしたが、ジョージワシントン大学への出願の際、「奨学金選考を希望するか」という項目にチェック☑したところ、合格通知とともに奨学金を支給する旨の文書が届きました。他の日本人留学生2人も受給していたので、倍率はそんなに高くなかったのだろうと思います。このようにアメリカの大学院ではアメリカ人でなくても奨学金のチャンスがあります。

 

最後にアルバイトについて、原則留学生(F1ビザ)は学内でのアルバイトしかできません。なので私は日本語学科の先生のTAとRAをしました。日本語学科がある大学ならこうしたチャンスがあります。そうでなくてもカフェテリアなどで働く機会はあると思います。その他にも知り合いのおばあちゃんのお世話をしたり、別の知人の部屋片づけをしたりしてお小遣いをもらうなど、様々な方に助けてもらいました。

 

お金の節約方法

続いて支出を減らすための工夫です。グラフの通り、私の2年間の支出額は1400万円で、内訳は学費が980万円、生活費等が420万円でした。学費は値切ったりできませんので削れませんでしたが、生活費はとことん削りました。ポイントは家賃と食費です。

 

<家賃>

ワシントンD.C.で単身者が生活するには最低$1,000は必要ですが、私の場合、通学に1時間かかる郊外に住んだので$960/月で済みました。さらに5か月間は友人とシェアハウスをして、その間の家賃は月に$600程度でした。

 

<食費>

食費は基本自炊して週に2,3回外食する場合、月に$500ほどかかります(個人差あると思いますが)。恥ずかしい話ですが、私はこれだけ奨学金をもらってアルバイトもして家賃を節約しても、この食費にあてるお金がありませんでした。そこで利用したのが大学の食糧支援です。大学には周囲の目に付かない場所に貧困学生向けの食糧庫があり、「食事は1日何回摂っているか」「空腹で勉強に集中できないことがあるか」などのアンケートに答えるとパスタ、お米、野菜などを無料でもらう事ができます。これを利用したことで食費は月$100程度に抑えることができました。当時は恥ずかしくてたまりませんでしたが、この経験が今の自分の糧になっています。

 

その他、毎月かかる生活費は定期代($135)、通信料($35)、光熱費($50)くらいで、平均的な毎月の出費は$1500前後でした。

 

まとめ

正直、貯金60万円だけで親にも会社にも頼らずに留学するのは本当に大変でした。でも不可能ではありませんでした。社会人になって留学をしたいけれどもお金がないという方、ぜひ諦めないでください!まずは奨学金への応募をしてみて下さい。心から応援しています!

 

 

 

国連就職を目指して米国大学院へ進学。良かった事、後悔した事。

こんにちは、国連目指す系ブロガーのTumneyと申します。

今回が人生初めてのブログ投稿です。

読みづらいところもあるかもしれませんが、私の経験を以下にまとめてみました。

 

いつ、どこへ?

私は2017年8月から2019年5月までの約2年間、アメリカのワシントンD.C.にあるジョージワシントン大学エリオット国際関係大学院(以下、エリオットスクール)というところで国際開発学の修士課程に在籍しました。

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国際機関で働きたい人が目指す大学院は本当に色々あり、正直どこがいいのかとても迷いました。このブログを読んで下さる方も迷われている方は多いのではないでしょうか?ワシントンD.C.界隈だけでもジョージタウン大学、ジョーンズホプキンス大学、アメリカン大学等々。アメリカ以外だとイギリスのLSEイーストアングリア大学、日本国内だと京都大学上智大学広島大学、GRIPSなどに有名なプログラムがあります。私もたくさんのブログや友人、大学説明会から情報を集めて自分なりに考えて出願先を絞りました。私が思う各大学院の長所・短所はまた別の記事でまとめることにして、今回は私のジョージワシントン大学エリオットスクールの経験をお話します。

 

エリオットスクールで良かった事

良い事はたくさんありましたが自分なりに以下の3つに絞り込んでみました。

  1. 国際機関や政府機関で活躍する専門家の生講演をタダで聞ける
  2. 卒業課題では実際の政府機関や国際機関、NGOと仕事ができる
  3. 大学院の奨学金で海外インターンに行ける

他にも、「多様な経歴をもったクラスメートと人脈ができたこと」や、「国際機関で必要となる基礎知識が身に付いたこと」なども思い浮かびましたが、きっとどこの大学でも国際関係学や国際開発学といった学部なら似たような経験が得られるのだろうと思い割愛しました。今回はエリオットスクールだからこそ得られた経験についてお話しすることにします。

 

1.国際機関や政府機関で活躍する専門家の生講演をタダで聞ける

ワシントンDCには様々なシンクタンクや研究機関があり、毎週のようにパネルディスカッションや講演会などのイベントを開催しています。テーマは政治経済、安全保障、保健衛生、国際開発、教育、女性の活躍、紛争解決、食糧支援、等々、多岐に渡ります。全て無料で参加でき、コーヒーやマフィン等の軽食が出る事もあります。私がよく参加したのは次のようなところです。各HPからメルマガ登録をすると不定期でイベント情報が届き、参加申込ができます。

  • Center for Strategic and International Studies (CSIS)
  • Brookings Institute
  • US-Japan Research Institute
  • Hudson Institute

またジョージワシントン大学から歩いて5分くらいのところには世界銀行IMFという2つの有名な国際機関があります。毎年10月にはこの2機関が合同でAnnual Meeting(総会)を開催していて、一般の方もネットで参加登録をすれば建物の中に入って国際機関で働く専門官や有名な教授の講演を聞くことができます。世界銀行はこの他にも様々なイベントを無料で開催しており、基本自由に参加申込できます。こうした情報はエリオットスクールやDC開発フォーラム(国際開発に関わる日本人の方々が運営している団体)のメルマガで日々入手できます。

 

また、エリオットスクールも毎週のように国際関係のイベントを開催しています。私がいた時には立憲民主党の枝野議員が講演を行い、見に行ったりもしました。

 

世界の最前線で活躍している人達の生の講演は、最新の情報が得られるのはもちろんのこと、機知とユーモアに富んでいて聞いているとワクワクして留学のモチベーションが上がります。

 

2. 卒業課題では実際の政府機関や国際機関、NGOと仕事ができる

エリオットスクールでは、卒業要件として修士論文の代わりにCapstoneという卒業課題に取り組む人が多いです。Capstoneとは3-4人のグループを組んで実際の国際機関や政府機関、NGOコンサルティングサービスを提供し、何らかの成果物を完成させるというものです。私のグループは様々な機関にお願いをして回った結果、ある教育系NGOに協力してもらうことができ、彼らが行っている北米-中南米間の大学交換留学援助プログラムのプロジェクト評価という仕事を頂きました。

 

Capstoneの大変さは、どんな人とチームを組むかや、どんなクライアントと仕事をするかによって大きく異なりますが、私のチームはまじめな人が集まっており、クライアントも大変協力的で色々な仕事を任せてくれたので、業務量が多く大変でしたが、その分NGOの仕事への理解が深まり、とてもいい経験ができました。

 

エリオットスクールの中には10個の学科があり、学科によってはCapstoneが必修ではないところもありますが、これは個人的には大変オススメです。

 

3. 大学院の奨学金で海外インターンに行ける

エリオットスクールには、アメリカ人学生でなくても申し込める奨学金が色々とあります。その一つがFreeman Foundation Grantです。私は2018年6月から3か月、夏季休暇の間にこの奨学金を利用してタイ王国にあるILOアジア太平洋事務局というところでインターンをしました。

 

この奨学金は東アジア、東南アジアで無給もしくは低給のインターンシップをする学生に最大6,550ドルが支給されます。一応学内選考がありますが、ここだけの話、希望者が少ないため、応募者はインターン先さえ見つかればほぼ確実に受給できます。

 

アジア以外でのインターンシップをする場合はInternational Internship Grantという奨学金があります。こちらは利用しなかったので詳細は分かりませんが、最大支給額は2,000ドルだったと思います。

 

応募条件等の詳細はエリオットスクールのHPをご確認下さい。

 

 

 

エリオットスクールで後悔した事

当然かもしれませんが、エリオットスクールでの経験はいい事ばかりではありませんでした。ここでは後悔した事、或いは事前に知っていたらよかったと思うことを3つご紹介します。

  1. 英語ディスカッションが多く、慣れていないと大変
  2. 高い学費とその他の費用
  3. 治安は多少の注意が必要

 

1. 英語ディスカッションが多く、慣れていないと大変

これはアメリカの大学院の多くに当てはまるかもしれませんが、エリオットスクールでは毎週ほぼ必ずディスカッション形式の授業がありました。20人ほどの学生で輪になって座り、一つのテーマについて議論します。意見があるときは手を挙げて発言するのが原則ですが、議論が過熱してくると手を挙げずに発言する人も出てきます。発言をしないと授業への積極性が低いとみられ、成績が落ちてしまいます。優しい教授なら「あなたはどう思う?」などとみんなが議論に参加できるよう促してくれますが、普通はそうしたことはしない教授が多かったです。

 

私は純日本育ちで、TOEFL101点、過去にアメリカで1年の交換留学経験ありという状態でエリオットスクールに入学しましたが、言いたいことがあっても、間を見計らったり、躊躇したりしているとすぐに話題が変わって発言機会を逃してしまい、慣れるまではとても大変でした。事前に英会話学校などでディスカッションに慣れておけば少しはラクだったかもしれません。

 

2.高い学費とその他の費用

アメリカの大学は学費が高いイメージがあると思いますが、実際に入学してみると他にも色々な費用がかかることが分かりとても苦労しました。費用については別の記事で詳しく説明しようと思いますが、私の場合、2年間で学費、家賃、生活費など全て込みで留学にかかった総額はおよそ$123,000($1=¥114として約1,400万円)です。但し、これは本当に切り詰めた最低限の生活で、一般的な単身者の平均は1,500万円~1,600万円くらいだろうと思います。中でも高額で、事前に知っていたらよかったと思った費用は以下の通りです。

  • 学費(2年で約$70,000)
  • 入学前の英語クラス(約$6,000)
  • 家賃(単身者で約$1,000/月が目安)

まず学費について。私が在籍した当時の学費は$1750/単位でした。エリオットスクールの卒業に必要な単位数は40単位なので、$1750x40=$70,000となります。

次に入学前の英語クラスですが、エリオットスクールの場合、TOEFLが105点未満の新入生は強制的にこのクラスに入れられ、6月から約3か月、ライティングを中心とした授業を受けます。正直、自分の為になったかと言われるとそうでもなかった気がします...

最後に家賃です。単身者が安心して暮らすためには$1000が目安となります。これより安いところは大学まで電車やバスで1時間以上かかるようなところか、或いは個室なしのシェアハウスになると思います。私は大学まで1時間くらいかかるPrince George's Plaza駅の学生向けアパートで家賃$960でしたが、周りに私と同じ大学に通う学生は一人もいませんでした笑

 

3.治安は多少の注意が必要

ジョージワシントン大学ワシントンD.C.の中でもFoggy-bottomという中心エリアにあり、アメリカ全土でみれば治安は非常に良い方だと思います。しかし、一般的なアメリカの大学と違って大学専用の敷地の中にあるのではなく、市街地の中に校舎が分散しているため、警備が難しいという事情があります。私自身は命の危険を感じた事はありませんでしたが、在学中にはLogan Circleでランニング中の女性が男に刃物で刺され死亡する事件や、Columbia Heightsで銃乱射により1名が亡くなる事件がありました。いずれも大学周辺のやや危ないとされる地域です。授業時間中は大学警察が巡回をしていますが、深夜や早朝などは警備が行き届きません。暗くなったら一人では出歩かない、危険な地域には立ち入らない等、身の安全には気を付けた方がいいです。

 

最後に

色々と長文で説明してしまいましたが、結論として私はエリオットスクールを選んで良かったと思っています。ここで学んだおかげで、色々な経験ができ、次のキャリアも自分の希望通りの道に進むことが出来ました。詳しい事は今後の記事でお話ししていきたいと思います。

拙い文章で読みづらかったかもしれません。感想やご質問などあれば是非ご連絡頂けますと幸いです。