Tumneyのブログ

20代後半の国際公務員。2020年1月からバンコクで雇用・労働問題に取り組んでいます。

国連職員が思うグローバル人材とは?

こんにちは、国連目指す系ブロガーのTumenyです。私は現在、ある国連機関のバンコクオフィスでJPOとして働いています。

 

一般的に「グローバル人材」というと、英語がペラペラで世界を飛び回って仕事をこなすような人を指すと思います。私も大学時代、日本企業の就職説明会で何度もそういう説明を受けましたが、国連で働き始めてからこの言葉のイメージが自分の中で少しずつ変わってきたと感じます。今回はそんな私の国連経験や、これまでにお会いした100人以上の国連職員の方々の印象を元に「国連職員が思うグローバル人材」について、次の3点にまとめてみました。これから国連を目指す方のご参考になれば幸いです。

 

1.英語力

2.海外経験

3.国連で働くグローバル人材にとって最も必要な能力

 

 

1.英語力

私が働くバンコクオフィスの公用語は英語です。職員の約15%が英語のネイティブスピーカーで、残りはノンネイティブです。みな英語で仕事をしている以上、ノンネイティブでも相当英語ができるのではと思われるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。スピーキングに関して言えば、出身国由来の発音のクセが強いも多く、慣れるまで聞き取るのが難しいです。日本人の方も、日本人らしい英語の発音をする方が多いです(私も然り)。ただ、英語を母語としない方も、言葉選びは非常に的確で分かり易いです。私自身はまだまだ未熟なのですが、会議などでそうした方の発言を聞いていると本当にすごいなといつも感心しています。

 

またライティング能力はすごく高いと感じます。これについてはネイティブでもノンネイティブでもあまり違いが分かりません。これはおそらくみなさん大学院で英語のレポートなどを相当やっていますし、業務の性質上、様々な内部書類や公式文書を英語で作成することが多いからだと思います。

 

目安として国連職員はTOEFL100点以上の英語レベルがあると思います(私は大学院受験のときでTOEFL101点でした)。ただ、前述の通り、話してみると発音などは「あれ?そのレベルでいいんだ。」と感じると思います。従って、国連で「グローバル人材」として働くためには綺麗な発音や流暢な英語を目指すよりも、下手な英語でもいいから的確な言葉を選んで論理的に伝える力が必要だと思います。国連の採用試験にはTOEFLなどによる足切りはないはずなので、英語に自信がなくても論理的に伝える能力を磨けばチャンスはきっとあります。

 

2.海外経験

国連職員になると海外で働くことになり、さらにそこから別の国へ海外出張に行くことも多くあります(国連では海外出張をミッションと呼びます)。私もまだ赴任して2ヵ月ですが、研修でジュネーブに行きましたし、今後はカンボジア等にミッションに行く可能性があります。こうして海外を飛び回るという意味で国連職員は「グローバル人材」だと思います。

 

これから国連を目指す方は、ぜひ色々な国、特に途上国で経験を積まれることをお勧めします。学業や仕事で時間が取れない方は旅行やボランティアでもいいです。私は会社員時代、4日間の休みを利用してフィリピンに行き、ゴミ山を支援するNGOスタディーツアーに参加しました。こうして世界でおきている社会問題を実際に自分の目で確かめることは、自分のモチベーションや知識の向上に繋がり、とても有効だと思います。

 

3.国連で働くグローバル人材にとって最も必要な能力

ここまで、一般的に「グローバル人材」と聞いて連想される英語力海外経験についてお話しました。英語が話せて海外経験豊富な人は確かにグローバル人材だと思いますが、私が国連で働き始めて感じる事は、これらはグローバル人材の一般的な行動を一部切り取っているものの、本質はそういう事ではないのではないか、という事です。私が国連で働いて思うグローバル人材の本質とは異文化を理解して一緒に働くことができる人です。英語がぺらぺらでなくてもいいですし、海外を飛び回らなくてもいいです。国連職員は様々な国籍、人種、宗教の同僚と仕事をし、国際公務員として世界の人々の役に立つ仕事をしなければなりません。その為に、異なる価値観を理解して一緒に物事を前に進められる人、そういう人こそ国連が求める「グローバル人材」だと思います。