Tumneyのブログ

20代後半の国際公務員。2020年1月からバンコクで雇用・労働問題に取り組んでいます。

国連職員の2つの働く姿勢 - ドーベルマン型とセントバーナード型

こんにちは、国連目指す系ブロガーのTumneyです。私は現在、ある国連機関のバンコクオフィスで働いています。働いているといっても終身雇用ではなく、2年間の期限付きです。その後は国連での生き残りをかけて競争に挑まなければなりません。

 

今回は職場で私がよく感じる、国連職員の働く姿勢を2パターンに分けてお話します。私は元々日本の大手民間企業で3年働いていましたが、国連の人たちのマインドは日本企業とは大きく違い、とても衝撃を受けました。この記事を読んで、将来国連で働きたいと思っている方が少しでも国連で働くイメージを持っていただけたら幸いです。

 

ドーベルマン型とセントバーナード

タイトルにもある通り、国連職員の働く姿勢には2通りあると思います。これを私は勝手にドーベルマン型とセントバーナード型と名付けました。この2つに完全に分けられるというよりは、多くの人はこの両面を兼ね備えていますが、人により度合いが異なるというイメージです。

 

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ドーベルマン型とは?

番犬や警察犬のようなイメージで、強く逞しく、鋭い洞察力を持ち、人に頼らずとも自分の力で前に進めるのがドーベルマン型の特徴です。ドーベルマン型は国連のような個人の自由度が高い職場で能力を発揮しやすいです。私がいた日本企業では仕事は上司の方針や社内規則に従って行うのが原則で、個人の自由度は少なかったです。おそらく日本の会社はそういうところがとても多いと思います。今の国連の職場では、私のような若手で職位の低い人間でも個人の裁量が重視され、上司は大枠で指示を出してきますが、細かいやり方やそれを今後どういう方向にもっていくかは部下が考えてマネージすることが多いです。ドーベルマン型は持ち前の鋭い洞察力や自立性を活かして積極的に仕事を推し進めます。

 

ただし、ドーベルマン型が強すぎると欠点もあります。例えば、自分の力を過信して人にあまり相談せず、自分のオフィスにこもりがちで、仕事に直接関係ない人とはあまりコミュニケーションをとらない等です。成果は残しますが、周りに冷酷な印象を与えます。

 

セントバーナード型とは?

鋭く尖ったドーベルマンに対し、セントバーナード型は温厚で、おとなしく、それでいてどこか貫禄のあるタイプです。とても社交的で誰とでも分け隔てなく接し、仕事以外のことでも何でも相談できるような人間関係を職場で形成します。国連はコネ社会だとよく言われ、国連でキャリアを積み上げるには幅広い人脈が必要です。また、国連職員はみな多かれ少なかれ誰かの協力のおかげで国連に入ったという意識があり、他の人にも協力しようという気概がある、という人もいます。

 

セントバーナード型の欠点は、優しいのはいいが何をしたいのか分からない、周りのコンセンサスを取りながら仕事を進めるので時間がかかる、仕事への熱意が見えにくい等かと思います。私の偏見かもしれませんが、NGO出身者はセントバーナード型の傾向が強い気がします。

 

まとめ

以上、私が思う国連職員の2つの働き方をご紹介しました。国連で生き抜くためには両方をバランスよく兼ね備え、また相手によって接し方を少しずつ変える器用さが必要と個人的には思っています。ちなみに私の職場はドーベルマン型が強めの人が多く、私はセントバーナード寄りなので、たまに違和感を覚えることはあります。ただ、彼らから学ぶことは本当に多いです。

 

具体例を示すのが難しく、抽象的・感覚的ですがご理解いただけましたでしょうか?皆さんも国連職員の方と話す機会があれば、ドーベルマン型とセントバーナード型を意識してみてはいかがでしょうか